試験液加熱脱気タンク HDR-250

溶出試験における「脱気」

・溶出試験において試験液に溶存する酸素等の気体成分が試験結果に影響を及ぼすことが知られており、試験の信頼性確保を目的に、溶出試験の実施にあたっては試験液を適当な方法で脱気することが日米欧三薬局方などに規定されています。
・試験液の脱気には、加熱・減圧・超音波・浸透膜・ヘリウム置換などの方法があります。このうち、加熱方法が最も簡便であり、広く用いられています。

加熱脱気性能の追求

・加熱脱気は、液体の温度が高くなるほど溶存する気体成分の飽和濃度が低くなる性質を利用し、試験液を一時的に試験温度よりも高い温度とすることで、飽和濃度を超過した気体成分を取り除く方法です。
この方法は、液相から気相への気体の移動が極めて緩慢なことにより相当な時間を要すること、また、脱気後、試験温度に戻した際に脱気効果が十分に維持できないことが従前の課題でした。
これらの課題を解決するため、本製品では、撹拌羽根として、独自開発の螺旋状スクリューを採用しました。一般的なプロペラ状スクリューに比べ格段に短時間で脱気することが可能で、タンク内の液量に依らず均一に撹拌できる長所もあります。
・脱気効果を長時間持続できるタンク構造になっています。
・加熱、保温それぞれの段階において最適な撹拌動作のリズムを使い分けることで、これらの特性を最大限に高めています。

（特許出願中）

※ 弊社試験データによる
　　試験条件；
　　・純水（塩濃度 : 0 ‰）、タンク内水量 25 L
　　・試験初期条件 30 ℃、溶存酸素は 飽和状態
※3 HDR-250 に上記の新技術を搭載しない状態
※4 JIS K0102 : 2016 水中の飽和溶存酸素 による

4つのモードでプログラム運転

・「タイマー加熱保温」、「加熱保温」、「タイマー保温」及び、「保温」の4 つの動作モードで、任意の温度・時間設定によるフレキシブルなプログラム運転が可能です。
・タイマー機能を備えているため、試験を実施するタイミングにあわせ、調整された試験液を本製品で準備しておくことができます。

使いやすい操作部とタンク

・わかりやすいシートキーとLED 表示で、直感的な操作と、一目での状態確認が可能です。
　　　　　

・洗いやすい広口、正面で注ぎやすい試験液注入口、液量の目安となる１L 刻みの目盛り、イージーコックを採用しています。
　　　　　　　

・傾斜底により、試験液を最後まで取り出せます。コックからの分注は、手前に倒すだけの簡単操作です。
　　 　

　　　　　タンク本体底（断面）