多様なフィルターに対応する多機能フィルターステーション

日米欧三薬局方規定の溶出試験において、溶出試験器から採取された試験液をシリンジフィルターで濾過するための装置です。
溶出率をHPLC等で分析する際に不可欠なフィルター濾過を自動で行うことで、試験業務の効率化、プロセスの短縮化を行うとともに、用手操作における濾過タイミングのばらつき等による試験結果の変動要因を取り除き、採取条件の均一化、ハザードの低減を実現することができます。

Feature

多様なシリンジフィルターに対応

・フィルターの中心をノズルの軸と同心上に配置して保持するマルチフィルターホルダーを採用。ホルダーに装填できる大きさのフィルターであれば、基本的に使用可能です。(※1)
・特定のフィルターに限定されず、お手持ちのフィルターを装填することができるため、試料により異なる試験条件に柔軟に対応し、過去の用手操作による試験データとの高い相関も確保できます。

操作ミスを未然に防止

・どのチャンネル、どのポジション(列)にフィルターが装填されているかを自動で認識し表示します。
・フィルターが装填されていないポジションはスキップし、全てのフィルターが使用された後にはリセットキーのみを有効にし、誤操作による液漏れなどのトラブルを防止します。
・フィルター装填不良個所があっても、フィルター押込機構により、移送時にホルダーに確実に装填させることで、流路挿入時の液漏れやエラー発生などを未然に防止します。
・誤ってシリンジフィルターを逆向きに装填しても、移送時に検出して動作を停止し、LCD画面にメッセージを表示し、併せて、本機に接続したSAS-6000シリーズにて、アラーム音と表示で通知します。

手間いらずの自動排出

・使用済みのシリンジフィルターは、フィルタートレイの中に自動で排出されます。
・フィルタートレイは、ワンタッチで取り出すことができ、使用済みのフィルターを容易に廃棄できるため、後片付けに手間がかかりません。(※2)

ダウンサイジングを追及

・軽量化・省スペース化を実現しました。
・オートサンプラー(SAS-6000シリーズ)とフットプリントを共通化し、本機を上部に配置できる設計としています。
・狭い実験台にもすっきり収まり、貴重なラボスペースを有効に活用できます。

簡単な操作で高度な機能

・装置正面に見やすいLCD表示と分かりやすいシートキーを設けました。
・リセット(初期化)、フィード(移送)、セット(準備完)、ラインIN(流路挿入)、ラインOUT(流路排出)の5つのキーで操作を行います。
・チェーンコンベア方式により、各チャンネル12 個のフィルターを供給します。
・順方向のフィルター移送だけでなく、使用したフィルターをスタンバイの位置に戻すことで、次のステップのサンプリングにおいて繰り返して使用することができるため、試験コストの低減を図ることができます。(※3)
・オートサンプラー(SAS-6000シリーズ)と組み合わせた自動サンプリングシステムの場合、オートサンプラーのタッチパネルより、試験における各ステップでのフィルター設定を行うことが可能です。
・PCと接続し、溶出試験ソフトウェアを使用することで、これらのシステムをPC制御することも可能です。

※1 詳細は「主な仕様」欄をご覧ください
※2 外径24 mm未満のフィルターにおいては、手操作での取り外しとなります
※3 手操作で濾過実験を実施する等により、無理なく使用できる回数をあらかじめ確認してください

Specification

機能 フィルターの供給、流路着脱、排出
対応フィルター シリンジフィルター(外径16 mm以上33 mm以下、厚み3 mm以上6 mm以下)
チャンネル数 6
フィルター装填数 各チャンネル12
フィルター排出機能 自動(ただし、外径24 mm以上のもの)
入出力 専用ケーブル(SAS-6000シリーズより制御)、イベント信号(外部制御)
安全対策 フィルター移送異常検知、フィルター着脱異常検知、フィルター排出異常検知
接液部材質 PTFE、ETFE、PP
使用可能温度 15 ℃ - 30 ℃
使用可能湿度 20 % - 85 %
エアー源 調整圧 0.4 MPa - 0.45 MPa
電源 SAS-6000シリーズより供給:10 VA(標準)
電源ユニットより供給:100 V AC 50/60 Hz 最大10 VA(オプション)
寸法 W440×D450×H370 mm(突起物を含む)
重量 20 kg